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2005年12月30日 (金)

ぽんと電気がとんだ

お寺でお葬式をする人は今どのぐらいいらっしゃるのでしょうか?都市を中心に葬儀会館が普及して、葬儀は葬儀会館でしなければ!と考えていらっしゃる方がほとんどでしょう。

お寺を最後のお別れの場所に選んでくださる方もいらっしゃいますが、最近の葬儀会館にはホテル並みの設備を整えているところもあるくらいで、快適性ではなかなかかないません。もしお寺でする利点は?とたずねられたら、私たちがそばにつねにおりますといつもお答えしています。近くでいつも相談に乗る宗教者の存在をどのようにうけとめてくださるでしょうか。

ありがたいことにお寺を貸してほしいのですが、とおっしゃってくださる方もすくなくありません。200人近い参列者がおいでになられる葬儀もあれば、家族数人でしめやかにおこなう葬儀もあります。しかしどちら場合もお経の内容も伽藍の配置、そしてなによりも気持ちはかわりません。親しい人を涙で送り、見送れた満足感をもって寺の門をでていかれる姿を拝見できるのは本当に喜びです。

しかし時々あります。失敗が。

あるご婦人のお通夜のこと。そのお方は非常に明るい方で、多くの方と交流がありました。私も笑顔しかみたことがありません。それだけにお別れは多くの人にショックを与えて、どことなく悲痛な雰囲気を本堂に醸し出していました。その中を住職と私でお通夜を始めようと座に着いたときです。

いきなり「ぽん」と軽い音がして、本堂の電気がぱっと消えてしまったのです。

「え?」ざわざわと声をすることもできずかたまった参列者の空気が伝わってきます。幸いお座敷も祭壇の電気もついていたので、そのまま動ずることなく読経を始めました。参列者も始まったお経にそのまま静かに合掌しています。ぱっと電気がついたのはちょうどお焼香を促すときでした。どうも何らかの原因でブレーカーがおちたらしいのですが、でもそんなに電気をつかってないのになあととても不思議な気持ちになりました。

通夜の読経の後、喪主である息子さんが会葬者にご挨拶をされました。「・・・母は大変冗談が好きだったので。電気が消えたときに、ああここでもやったなあ、とつい思ってしまいました。みなさん本日は母のためにようこそおいでくださいました」

涙がこぼれそうでした。合掌

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