小さな子
今日枕経にいってきました。葬儀会館の一室で家族だけでお経とお別れの儀式をして、心構えなどのお話をさせていただきました。それではこれで、とその部屋の扉をあけて外をみると、黒い服を着た方々がおおぜいたっていらっしゃいます。
しまったと思いました。
2階でやっていたお葬儀の出棺の時間にかさなってしまったのです。突然でてきた僧侶の姿になにやらみなさんとまどわれていらっしゃるのがいやというほどわかります。とまどっているのはこちらも一緒です。はやく退散しなければ、棺がおりてこられます。とにかく、すぐそばの事務室にかけこみました。
出棺いまからですか?ええそうですけど、でもだいぶ時間がかかってますねえ。
会館の方がつぶやかれます。
2才の子なんですよ。うちのこと同い年ですね。お別れに時間をかけているんではないでしょうか。
小さな子の葬儀はつらいです。
そのやるせない悲しみがわかるから。
いままでに何回そんな子のお別れに立ち会ったか分かりません。あるお母さんは、お通夜がおわるまで、我が子をだきしめたままでした。無表情で温め続けていました。あるお母さんはミニカーで棺の周りを飾ってあげていました。今も仏壇の中にミニカーが飾られています。あるお父さんは思い出を絵本にしました。夜中に起きて泣くことが減ったそうです。ののしりあって壊れてしまう夫婦もいます。でもそんな姿を誰ももとめていません。心ない言葉で人に会えなくなった奥さんを必死で支える旦那さんの姿も見せてもらいました。必死でこのときをこらえている夫婦を無言で支えるよき親族、わざとおどける友人、知人の姿も見せてもらいました。
私たちは、その人たちの前に立ち、その子の棺をまもるように鉦をたたきながら前にすすみます。ごくろうさま、よくきてくれたね、もういいんだよ、まっすぐお浄土におかえり。
ある家族は引っ越していき、ある家族は新しい家族を迎え、ある家族はこわれてしまいました。でもみんな今も一生懸命生きていることを祈っています。小さな子は笑顔を与えるために生まれてきたのですから。その投げかけに応えなければなりません。
ようやく棺が降りてきたようです。会館の人が、お父さんとお母さんが二人でお連れしてるね。大勢の人がいるのに、誰もしゃべりません。
霊柩車の警笛が軽く鳴ります。
合掌
またおいでね。こんどはもっとながく笑顔をみせてね。またね・・・
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娘を亡くして、もう6年。今年七回忌を迎えます。あの時副住職さんに泣きすがるしかなかった私たちですが、今では2人の子供に恵まれ、毎日精一杯生きております。上の子が生まれたときには、また死んでしまったらどうしようと、円形脱毛症になった私ですが、いつの間にか鬼ババァになりました。これも想念寺さんのおかげだと思っております・・・。こんな悲しい想いをする人たちが、まだまだいることを思うと、涙が出てきます。そんな皆さんが、少しずつでも前向きに生きていけますように。
谷口 千枝
投稿: 谷口 千枝 | 2006年3月 8日 (水) 20:43